外志男のCG作品

一部額装したものを準備中です。

遊鯉紅葉図

今を盛りに燃える豪華な紅葉。これを芝居小屋の屋根に見立てれば、思う存分客を待たせた上で、悠然と姿を現した千両役者が、鯉です。
  もはや楓の幹も枝も描く必要はないと言わんばかり。常識では馴染まないはずの「青」まで使って、全力で描いた紅葉に、圧倒されます。水面の下の葉を青で描き、色彩による遠近感を演出しています。
  空いたわずかな水面を鯉が埋めれば、作者の思いは満たされました。
 鑑賞する側として、めくるめく秋の色彩に酔ってみるのも、また一興ではないでしょうか。 

黒猫タロ

朝市でしょうか、鮮やかな干物店の店頭です。イカやカレイが、一つずつ全て違う配色で、鮮やかに描かれています。しかし、いたずら好きな主役は、ごくシンプルな描き方です。控えめに隅に登場させ、手を掛けていないにも関わらず、最も目を引く。
それが、作者のいたずらかもしれません。原題は「美味しそう」です。

源氏物語絵巻

 

外志男が、晩年に精力的に取り組んだCGアートの作品群です。
12世紀の宮廷画家に対し、「自分なら、この色にする」と主張した蒔絵師の挑戦です。
原典を所蔵する五島美術館・徳川美術館からはご了承を頂きました。 

横にスクロールしてご覧ください。

源氏物語絵巻 四十帖 「御法(みのり)」
:光源氏の愛妻、葵の上が亡くなる直前の場面。

源氏物語絵巻 五十帖「東屋(あずまや)一」
浮舟に女房が物語を読み聞かせているところを、横から聴いている女房二人。

源氏物語絵巻 五十帖「東屋(あずまや)二」
烏帽子の薫が、浮舟を突然来訪。浮舟は驚き、薫を待たせている。

源氏物語絵巻 三十六帖「柏木(かしわぎ)二」
床に伏している柏木に、夕霧が昇進の知らせを持って見舞いに来る。
柏木は烏帽子をかぶり正装で迎える。

源氏物語絵巻 四十九帖「宿木(やどりぎ)一」:帝と薫の囲碁対局。
唯一、内裏「清涼殿」が描かれた作品。

源氏物語絵巻 三十六帖「柏木(かしわぎ)一」
伏せっている女三宮が尼になりたいと告白、
父の朱雀院が困惑している場面。光源氏は、事情を知っている。