鑑賞室その4
外志男の作品をさらにお楽しみください。
秋草
尾花、桔梗、撫子、女郎花など、秋の草花を涼しげに配しました。
左上空から夏の名残の日差しが届き、柔らかな影を作ります。
色の調和や、背の高いものと低いものの取り合わせ、
また単純でない背景色に、緻密な計算があります。
錦繡蒔絵 手洗い
外志男のギャラリー「漆廊(くろう)」のお手洗いの壁です。
手間のかかる特許技術「錦繍(きんしゅう)蒔絵」を敷き詰めています。
銀粉のデザインが琥珀に染まり、漆黒に浮かび上がります。
初めて扉を開け、驚かない人はいません。
山の幸
抽象デザインが多い外志男ですが、極めて精細な具象CG画を制作しました。
「分かりやすい作品も作るのか」と息子は意外に思いましたが、
これは完成形ではなかったようです。
外志男は、これとは別に「海の幸」を制作していたのです。
これら二枚とも正七角形(!)の蒔絵盆に作り、
二枚組として、第76回現代美術展に出品しました。
分かりやすいモチーフなのに、なぜ作りにくい七角形にしたのでしょう。
変わり者の蒔絵師が考えたことを、想像してみてください。
不思議なことに、正七角形が二枚並ぶと、問答無用の安定感があります。
デスクトップ・ランタン
外志男のCG作品のテーマは、「命」のようです。
摘まれた花、収穫された果実を好んで描いたのは、死に向かう命の瞬間があるからです。
外志男がつけたタイトルに「ランタン」とありますが、机の上にランタンはありません。
しかし、厳然とした「命の輝き」があります。
ご覧頂きありがとうございます。
多くの作品がございます。鑑賞室は今後も充実させて参ります。