高台付き蒔絵角盆 

 「晩鐘」

平成30年、現代美術展で美術文化特別賞を受賞した、約50センチ四方の蒔絵角盆です。

ヨーロッパの教会の鐘をテーマとしています。一つの鐘が夕暮れを告げると、町中の教会の鐘が呼応していくという、雄大な街の営みを描きます。

中央が窪んでおり、見る角度によって微妙な遠近感が演出されています。町の果てまで響き渡る鐘の音を、想像してみてください。

入念さ

完成蒔絵→透明漆(溜漆)→乾燥・硬化→蠟色(ろいろ)→胴刷り・擦り漆→蠟色磨き粉→指先で磨く。これが「錦繡蒔絵」です。


多様さ

アフリカ、ペルシャ、小アジアなど国際的モチーフと蒔絵が、不思議な調和を見せます。

緻密さ

目が眩むような市松や、三角形と直線の組み合わせに、永続性・普遍性がにじみます。

斬新さ

従来の花鳥風月とは違う、生活感漂うデザインから、斬新な作品が生まれました。

精密さ

直線・円・多角形、貝、金属、卵殻など、精密な構築が得意分野です。

鮮やかさ

特許を取得した超絶技法、「錦繡蒔絵」。
螺鈿の七色に囲まれた琥珀色の鳳凰が、深い漆の水面に浮かびます。

外志男のCG作品も見る。